金融政策の操作目標は大別して、金利とマネーサプライに分けられる。この二つを同時に目標にすることは通常不可能である。通常の循環的政策においては、金利水準が目標となる。しかし、過熱あるいは過冷気味の景気に対して、まれにマネーサプライが目標とされる。
有名な政策に、1970年代後半にFRBのボルカー議長が採用した新金融調節方式がある。これは、それまで金利水準を目標にして行ってきたインフレーション対策が限界に達したため行われたもので、マネーサプライを目標としている(増加の抑制が目的)。この結果、金利は上へ放たれ急上昇。1980年代初頭にまでいたる、高金利の時代を生み出した。この政策により、実質金利を高めることが出来、インフレーションは沈静化した。このように金利を目標としなくなることで金利の変動は激しくなる。
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金融政策の制約 [編集]
金融政策は、物価変動の抑制や景気改善のために独立した政策を打つことが求められるが、経済構造上で制約を受ける場合がある。
利子率弾力性の制約 [編集]
一般的に、金融政策は利子率へ影響を及ぼし、金利が民間投資(設備投資)に影響を与えることで実体経済へ影響を及ぼす(※民間投資には広義では家計の住宅投資も含まれる)。
しかし、これには前提がある。それは民間投資が利子率に反応するということである。これが利子率弾力性であり、利子率の変動に対して民間投資がよく反応するほど弾力性が高いといえる。この弾力性が著しく低い場合は、金融政策と実体経済のリンクがなくなっている状態であり、金融政策の効力は低下する。利子率弾力性が高い状態とは、「融資さえ受けられれば投資したい」と考える企業家が十分な量、存在する状態であり、投資案件に事欠かないような状態である。投資案件がない状態では、いくら利子率が低下しても投資など発生しないため金融政策は無力化する。
流動性の罠の制約 [編集]
投機的貨幣需要が無限大となり流動性の罠が発生している状況では、金融政策は無力化する。
政治制度の制約 [編集]
中央銀行は貨幣を発行する権限を持つため、常に政府との距離が重要となってきた。政府は、支出をより増やしたい欲求と、増税への抵抗を忌避する性質があるため貨幣発行を財源(通貨発行益によるインフレ税)としたい動機がある。もし中央銀行に十分な独立性がないならば、政府の言うがままに貨幣を発行する可能性がある。無尽蔵の貨幣発行は、金利を低くとどめる。民間投資が増加し、インフレーションが発生するが、潤沢な貨幣発行により金利が上昇せず、実質金利は低下する。この結果、民間投資・消費の増大に歯止めがかからなくなり、総供給が総需要を満たせなくなるためハイパーインフレーションが発生する。ハイパーインフレーションは貨幣への信用喪失であり、著しい経済的損失が発生する。このため中央銀行は政府から独立していなくてはならない。